資金ショート、明日は我が身

資金ショートを経験したことがあると、回答した経営者は約53%にも上ります。

 

これからもわかるように、資金ショートは対岸の火事ではないのです。

 

資金ショートを防ぐ手立ては本当にないのでしょうか?資金ショートにも必ず予兆があります。

 

この予兆は必ずしも大きいものではありません。

 

 

 

資金ショートを経験した経営者の内、慢性的な要因が資金ショートの原因だと答えは人は約20%、突発的な要因が資金ショートの原因だと答えた人は約80%でした。

 

【慢性的な要因】

・売掛金と買掛金のサイトバランスの悪さ

・利益率の低さ

・投資による借入金の返済で、損益計算書に計上されないキャッシュの流出が多かった

・売掛金の回収サイトが長く、現金化に時間がかかっていた

・手元現金の少ない状況が続いていた

 

【突発的な要因】

・取引先の倒産

・急激に売上が上がったことによる、支払いの増加

・コロナウイルスの影響による売上の大幅な減少

・災害や事故による経費増加

 

 

 

リーマンショック以降、大手企業が内部留保(最終的な利益のうち社内に蓄えられる部分)を増やしていることが問題視されていますが、企業として内部留保をするのは当然のことです。

 

大手企業が内部留保を増やしたのは、突発的な要因で企業存続を揺るがされるようなリスクを回避するためのものです。

 

経済環境の変化が大きい昨今、突発的な事態に対するリスク回避をどれだけ準備出来るかが、中小企業にも問われていると思います。

 

 

 

突発的な事態に対するリスク回避は内部留保のみでなく、キャッシュフロー計算書の導入や流動比率の底上げなど様々な方法があり、個々の企業で対策は異なり、すぐに効果が出るものでもありません。

 

転ばぬ先の杖、事前に想定しリスク回避の準備をることが、これからの厳しい経済環境の中で生き残る一つの術になると考えています。