長年、日本企業は売上至上主義で事業を進めてきましたが、売上至上主義で経営が良くなる時代は既に終わっています。
高度経済成長期やバブル期は、作った分だけ売れどんどん売上が上がる時代、従業員もやればやるだけ売上が上がるもんだから、一生懸命、売上を伸ばすことに力を注ぎました。
しかし、今のこの時代、作った分だけ売れるわけがなく、売上を上げろと従業員に言っても、只々、やる気を失わせるだけ。
なんなら売上至上主義の考え方が、中小零細企業の衰退を招いているとさえ考えています。
沢山の経営者や役員の方からご相談をお受けしますが、「売上さえ上げれば自然と会社は良くなる」と思い込んでいる人が未だに多いことに驚きます。
- 売上が上がっているから会社の業績が良い
- 売上がまだまだ上がるから設備投資が必要
- 売上が上がってるから生産体制の増強が必要
- 売上が上がっているからボーナスを出す
売上という一つの数字だけで経営資源の使い方を決定していることに、毎度毎度、恐怖心さえ感じます。
原価率は?人件費比率は?現預金比率は?負債比率は?利益率は?と聞くと大抵の場合、回答に困っておられる。
冷静に考えていただきたいのですが、売上額=儲かった額でしょうか?
違いますよね。一時的に売り上げた分のお金は入ってきますが、仕入た分の支払や従業員の給与、家賃、水道光熱費といった経費を支払えば、手元に残るのは売り上げた金額よりもかなり少ない金額になりますよね。
儲けとは、売上から経費を差し引いた残りの事を言い、売上が上がっていれば必ずしも儲かっているわけではありません。
設備投資も生産体制増強もボーナスも配当金も、源泉が無ければ出来ないことで、この源泉は儲けです。
会社の数字のことがわからないというのは、経営者として恥ずべきことで、会社の数字を理解していない経営者や役員は、必ず会社を潰します。
しかし、恥ずべきことだからと誰にも相談せず、隠していても現実は何も変わりません。
売上至上主義という考え方を変え、自分の会社の数字をちゃんと理解できるように努力し、生き残れる会社を作りたいと思いませんか?
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