自社の決算書ここを見ろ Vol.7

コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが減少し、金融機関からの借り入れた増えた企業が沢山あります。

 

借入することでキャッシュが手に入るので当面の資金に余裕が出てきます。

 

しかし、借りたお金は利息を付けて返さなければならず、キャッシュが手に入ったからと手放しで喜べるものではありません。

 

借入は他人資本とも言われ、他人資本と自己資本の割合を見た時にバランスが悪ければ、債権担保能力がないと判断され、追加融資を受けられないのは勿論、たちまちに返済をせまられる可能性もある。

 

このバランスを見るのが「負債比率」です。

 

負債比率とは、返済義務のある他人資本が、どれだけ返済義務の無い自己資本でカバーされているのかを見る指標で、負債比率が低いほど返済余力が高く財務の安全性が高いと見ることが出来ます。

 

負債比率が高い場合、資金繰りが不安視されることがあります。

 

「他人資本÷自己資本×100」という計算式で求めます。

 

通常、100%(1倍)を下回ると財務が安定していると判断され、数値が低ければ低いほど「借金が少ない会社」ということになります。

ただし、負債比率が高いから危険だと決めつけるのではなく、他の指標とのバランスを見ることも大切です。

 

例えば、新規事業で事前投資が必要な場合や急成長中の事業の場合、先行投資が必要になるため負債比率は必然的に高くなります。

 

一方で、先行投資を行っていないのに負債比率が高くなっている場合は、運転資金として借入を使用していることとなり、本業で利益やキャッシュが得られていないということになります。

 

この場合は、早期の原因追及が必要です。

 

計算で出てきた数字を鵜呑みにするのではなく、何故、この数字が出ているのかと言う理由をしっかりと探り、必要な対策を取っていきましょう。