1億人と78億人、どっちの市場を狙いますか?

2021年日本の人口は1億2,610万人、世界の人口は78億7,500万人、世界人口は、前年と比べて8,000万人増加したそうです。
予想によると世界人口は、アフリカやアジアを中心に増加しており、このまま増加を続けた場合、2050年には世界人口が97億人に達すると言われているそうです。
一方、日本の人口は前年と比べて、60万人減少したそうです。

私たちの経験ではありますが、日本の起業家の多くは、日本国内をターゲットとして設定していることが多く、海外の起業家は、他国をターゲットとしてビジネス展開を考えています。

1億人をターゲットとしてビジネス、78億人をターゲットとしたビジネスでは、そもそもの市場のパイが全く違います。
日本の人口は、世界人口とは逆に減少傾向にあり、市場は縮小されていくばかりです。
このような状況で、1億人をターゲットとしたビジネス展開を続けててよいものなのか。

高度経済成長期以降、日本は豊かになり、便利なサービスや便利な製品が多く売られるようになりました。
ですがこういった「便利」を売りにしたサービスや製品は、価格競争の波にのまれやすいと思います。その理由は、「便利」ではあるけれども、なくても「困らない」というところにあります。

「無いと困る」というサービスや製品は高価でも人はお金を出しますが、「あると便利」だが「無いと困るわけではない」というサービスや製品は、他サービスや他製品と比べる前に、自分のお財布の中身を見て、お金が無いと思えば、安価でもお金を出すことはありません。

バブル崩壊後、日本経済は低迷を続けており、そこに拍車をかけているのが少子高齢化です。
税金を納めてくれる働き手が減れば税収は減る、高齢者が増えれば社会保障費は増える、今の税収では賄いきれないから税金が上がる、税金が上がれば自由に使えるお金も減るので消費が減る、日本長年この悪循環の中にいると思います。

人口減少は対岸の火事ではありません。
人口が減ることで、市場は小さくなり、市場の奪い合い、価格競争は更に激化していきます。
こうなってくると、資金力・資金調達能力のある大手企業だけしか生き残れない経済になってしまします。

良いサービス・良い製品、他社よりも安いサービス・製品、他社よりも優れたサービス・製品を開発し、市場へ投入することも大事ですが、資金力・資金調達力の無い中小企業がどこまでそれに耐えられるのか・・・

日本の中小企業には、優れた技術・優れた能力があります。
今あるモノを最大限に活用し、利益を得ることを考えると、1億人をターゲットとし続けるのではなく、78億人をターゲットとしたビジネス展開をすることも一つの選択肢になるのではないでしょうか。

良い意味でも悪い意味でも、他国に比べて日本は先を行っていると考えています。
少し視点を変えれば、まだまだ生き残る道は残されているのではないでしょうか。