法人間の取引で当たり前になっている「掛取引」ですが、この掛取引の実態を知らないと資金繰りを悪化させる可能性があります。
掛取引の実態を知らない経営者が多く「利益は出ているのに何故、お金が残らないのか?」という質問をよく受けます。
黒字倒産という言葉を耳にされたことがあると思いますが、黒字倒産の要因の一つに「掛取引」があります。
掛取引とは、取引を一定の期間で区切り後日、お金を支払う又はもらうという信用取引です。
掛取引を行う上で重要なのは、「製品やサービス」が動く時期と「お金」が動く時期が異なるということです。
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上記取引の場合10月31日時点でプラス2,000円の利益が出ているが、お金はマイナス4,000円(手元資金を0円とした場合)になる。
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そもそも、お金がなければ仕入代金の支払は出来ないので、仕入代金の支払をする為に通常企業は資金調達をします。
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資金調達をした場合、10月31日時点の損益計算書のプラス2,000円の利益は変わらないが、貸借対照表の現金が借入た金額から仕入代金を引いた残りのプラス6,000円となる。
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掛取引をした場合、必ず支払と入金にタイムラグが発生します。
通常、モノを売るには先に仕入が必要になります。よって、販売代金が入ってくる前に仕入代金を支払うことが多いので、仕入代金を支払うタイミングと販売代金が入金されるタイミングがズレればズレるほど、資金調達金額は大きくなるということになります。
資金調達をコントロールするには、支払代金を可能な限り先延ばしにし、尚且つ、販売代金を可能な限り早くもらうという方法を多くの企業が取っている。
では何故、利益が出ているのに倒産してしまう黒字倒産をする会社が倒産企業の50%もいるのかと疑問に思いませんか?
掛取引の実態をしっかりと把握し、売掛金の入金管理、買掛金の支払管理、借入金の返済管理をしていれば黒字倒産にはなりません。
しかし
- 「利益額=手元に残っているお金」という勘違い
- 「現金が残っている=使えるお金」という勘違い
この二つの勘違いが黒字倒産を招いています。
何度も言いますが、黒字倒産を起こさない基本は
- 売掛金の入金管理
- 買掛金の支払管理
- 借入金の返済管理
がとても重要です。
2023年の経済状況は中小企業にとって大変、厳しものになるという予想がされています。
後3ヶ月程で2023年を迎えますが、2023年の厳しい経済状況を乗り切れるよう今、改めて数字のチェックをしてみられてはいかがでしょうか?
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